疾患別ガイドライン

高血圧治療(日本高血圧学会)

1. 高血圧の分類

A. 成人における血圧値の分類

分類 収縮期血圧   拡張期血圧
至適血圧 < 120 かつ < 80
正常血圧 < 130 かつ < 85
正常高値血圧 130〜139 または 85〜89
軽症高血圧 140〜159 または 90〜99
中等症高血圧 160〜179 または 100〜109
重症高血圧 ≧180 または ≧ 110
収縮期高血圧 ≧140 かつ < 90

B. 高血圧患者のリスクの層別化

血圧分類/血圧以外のリスク要因 軽症高血圧(140〜159/90〜99mmHg) 中等症高血圧(160〜179/100〜109mmHg) 重症高血圧(≧180/≧110mmHg)
危険因子なし 低リスク 中等リスク 高リスク
糖尿病以外の1〜2個の危険因子あり 中等リスク 中等リスク 高リスク
糖尿病、臓器障害、心血管病、3個以上の危険因子、のいずれかがある 高リスク 高リスク 高リスク

2. 治療計画

A. 初診時の高血圧管理計画

初診時の高血圧管理計画

B. 生活習慣の修正項目

  1. 食塩制限6gg/日未満
  2. 野菜・果実の積極的摂取*
  3. コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
  4. 適正体重の維持:BMI(体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)])で25を越えない
  5. 運動療法:心血管病のない高血圧患者が対象で、有酸素運動を毎日30分以上を目標に定期的に行う
  6. アルコール制限:エタノールで男性は20〜30ml/日以下、女性は10〜20ml/以下
  7. 禁煙

生活習慣の複合的な修正はより効果的である

* ただし、野菜・果物の積極的摂取は、重篤な腎障害を伴うものでは、高K血症をきたす可能性があるので推奨されない。また、果物の積極的摂取は摂取カロリーの増加につながることがあるので、糖尿病患者では推奨されない。

C. 主要降圧薬の積極的な適応と禁忌

降圧薬 積極的な適応 禁忌
Ca拮抗薬 脳血管疾患後、狭心症、左室肥大、糖尿病、高齢者 房室ブロック(ジルチアゼム)
ARB 脳血管疾患後、心不全、心筋梗塞後、左室肥大、腎障害、糖尿病、高齢者 妊娠、高カリウム血症、両側腎動脈狭窄
ACE阻害薬 脳血管疾患後、心不全、心筋梗塞後、左室肥大、腎障害、糖尿病、高齢者 妊娠、高カリウム血症、両側腎動脈狭窄
利尿薬 脳血管疾患後、心不全、腎不全、(ループ利尿薬)、高齢者 痛風
β遮断薬 狭心症、心筋梗塞後、頻脈、心不全 喘息、房室ブロック、末梢循環障害
α遮断薬 高脂血症、前立腺肥大 起立性低血圧

3. 臓器障害を合併する高血圧の治療

A. 心疾患を合併する高血圧の治療

虚血性心疾患  
  • 冠攣縮…長時間作用型Ca拮抗薬
  • 器質的冠動脈狭窄…冠インターベンション、β遮断薬
  • 降圧が不十分な場合…RA系抑制薬を併用
心不全  
  • 標準的治療…RA系抑制薬 + β断薬+利尿薬
  • 重症例…アルドステロン拮抗薬の追加投与
  • 血圧コントロールが不十分な場合…長時間作用型Ca拮抗薬を追加
心肥大  
  • RAA系抑制薬/長時間作用型Ca拮抗薬が第一次薬
  • 持続的かつ十分な降圧を図る

B. 慢性腎疾患を合併する高血圧の治療計画

慢性腎疾患を合併する高血圧の治療計画

* 血清クレアチニン値2.0mg/dl以上では最小用量より投与開始

** 原因:腎動脈狭窄、NSAID、心不全、脱水、尿路異常など a糖尿病性腎症、b非糖尿病性腎症 Alb/Cr:アルブミン/クレアチニン比、SCr:血清クレアチニン

C. 糖尿病を合併する高血圧の治療計画

糖尿病を合併する高血圧の治療計画

4. 高齢者高血圧の治療

高齢者高血圧の治療計画

高齢者高血圧の治療計画

日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2004年版」を参考に作成

  • 第1ステップ(降圧不十分や忍容性に問題がある場合には変更も可)(2〜3ヵ月以上)
  • 第2ステップ2薬併用(2〜3ヵ月以上)
  • 第3ステップ3薬併用(症例によりβ遮断薬、α遮断薬も使用可)

本ガイドライン・エッセンスの要旨は日本循環器学会・その他の学会作成のガイドライン等を参考に日本心臓財団にて要約解説したものです。詳細な情報・転載許諾等はガイドライン末尾の出典論文を参照、または当該学会にお問い合わせください。

医科歯科連携 OMSBクリニック