統合医療の治療内容

光線治療

現在、治療を行っていません。

古来より私たちは太陽光線の治療効果を経験的に知っており日光浴は病気治療の一つの手段となっていました。
近年では人体に及ぼす光の影響についての科学的解明が進んでおり、例えば、くる病の原因が日照不足であること(日照不足→ビタミンD不足→カルシウム不足→くる病)や、ホルモン分泌への影響(月経や性衝動の減退)、自律神経や精神活動への影響(日照時間が短い季節のうつ病症状など)はよく知られたところです。すなわち、人間は水(食物)や空気を必要とするのと同じく、元来、光(太陽)を必要としているのです。

可視総合光線

太陽光線のように、赤外線、可視光線、紫外線の全ての波長を連続的に含んだ光を「可視総合光線」と呼んでいます。光はそれぞれの波長ごとに人体への効果が異なります。赤外線治療や紫外線治療など特定の波長のみを取り出して治療に使う方法も広く使われていますが、人間に本来備わっている自然治癒能力を増進させる目的においては可視総合光線が最も適しているといえます。
ここでとり上げる可視総合光線は、治療器用カーボン電極をアーク放電させて得られるカーボンアーク光を光源としています。カーボンアーク光は太陽光と同じ連続光でありながら、人体に有害と言われる短波長の紫外線を含まない「人にやさしい光」です。本治療法はカーボンアーク光を適切に人体に照射することにより、免疫力を高めて人が本来持つ自然治癒能力を増進させ、健康増進や病気の症状を回復・軽減させようとするものです。

1. 光化学作用

光化学作用とは青〜紫外領域の波長を持つ光を照射したとき、生体内の化学物質が別の化学物質に変換される作用をいいます。その代表的な例としてはビタミンDの生成が挙げられます。

2. ビタミンDの生成

皮膚に存在する7−デヒドロコレステロールは紫外線を受けるとビタミンDに変換されます。ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収・代謝に基づく細胞機能の恒常性を維持するために重要な働きをしています。ビタミンDは経口摂取も可能ですが、光照射によって生成したビタミンDのほうが体内滞留時間が長く、効果の持続性も強いことが知られています。
ビタミンD生成および関連するカルシウム代謝に関連して以下の効果が期待されます。

  • 骨軟化症、骨粗しょう症、変形性関節症の治療と予防
  • アトピー性皮膚炎、花粉症の治療と予防
  • 動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病の治療と予防
  • くる病の治療と予防
  • 角化細胞の増殖抑制(尋常性感染、魚の目、たこ)の治療と予防
  • インスリンの分泌調節(高血糖、糖尿病)の治療と予防
  • 免疫調節効果による種々の免疫異常性疾患の治療と予防
  • 副腎皮質ホルモンの分泌促進効果による筋力・運動機能の向上。虚弱体質の改善
  • 発がん抑制作用(がん、腫瘍)
3. その他

皮膚に存在するヒスチジンは紫外線を受けるとヒスタミンやヒスタミン様物質に変換されます。ヒスタミンには胃液や消化液の分泌調節効果、末梢血管の拡張作用(血圧上昇の抑制)があります。また、血中に増加した油性ビリルビンは青色領域の光を受けると水溶性に変換されます。これは新生児の重症黄疸の治療にも適用されています。

4. 殺菌作用

紫外線はエネルギーの高い光でありそれ自体が殺菌作用を有していますが、白血球を活性化(遊走能、食菌能の強化)する働きがあり感染防御機能を増進する効果があります。
殺菌作用に関連して以下のような効果が期待されます。

  • 風邪、気管支炎などの感染症の治療と予防
  • 外傷、手術創、やけどなど創傷部の治療
  • アトピー性皮膚炎などの皮膚病における細菌の二次感染の予防
  • 扁桃炎、中耳炎などの感染の治療と予防
  • ニキビの感染予防
  • 痔核、痔ろうの細菌感染の予防
5. 生体のリズムの調整

可視光線は眼から網膜を経て、その刺激は脳の中心付近にある松果体に作用し、メラトニン(松果体ホルモン)の分泌を調節します。メラトニンは脳下垂体に作用し、生体リズム、からだの成熟、性腺の周期的活動、高血圧、免疫機能、抗酸化作用など多くの機能に関与します。
メラトニン分泌の改善に伴い以下のような効果が期待されます。

  • 時差ボケ、不眠症、季節性うつ病、痴呆症などの治療と予防
  • メラトニンの降圧作用による高血圧の抑制
  • メラトニンの脂質低下作用による心臓病の治療と予防
温熱作用

生体への浸透力の大きな長波長の可視線(赤色光線)と近赤外線は光線照射箇所の血流を増加させ患部の血行を改善します。
温熱作用により以下のような効果が期待されます。

  • 末梢神経の拡張による冷え性、ひび、あかぎれ、しもやけ、脱疽などの治療と予防
  • 冠状動脈の血行改善による心臓病の治療と予防
  • 末梢神経の拡張、心臓機能強化による高血圧症、低血圧症の治療と予防
  • 消化管の働きや消化機能の改善
  • 血行改善に伴う鎮痛作用(プロスタグランジンなどの痛み原因物質の除去作用)
  • 血行改善に伴う消炎作用

光線療法の歴史

光線療法の歴史は太陽と人間の歴史であり、原始的な光線療法である日光療法まで考えると、その歴史は古代までさかのぼる。

古代より人間は太陽を全能のシンボルとして崇拝し、未だ人知の開けていなかった古代社会においても、健康に欠くことのできない保健作用や病気に対する治療効果があると信じられ積極的に利用されてきた。古代ギリシャでは紀元前3000年以上前に、日光療法を行った記録が残されており、インドの聖典ヴェーダによれば、既に紀元前1400年頃、紫外線に対する感受性を高めるソラーレン(光感作物質)を併用した日光療法を白斑の治療に用いている。(後にPUVA療法の名で、尋常性白斑、尋常性乾癬等の皮膚疾患の治療に用いられる)
古代ローマでは、紀元前2,3世紀頃には日光浴室が設けられ、各家庭にもソラリウムと呼ばれる日光浴室があった。当時の博物学者ブリニーは太陽は最良の薬である」と説いている。日光療法を本格的に医療の場に取り入れたのは医聖ヒポクラテスであり、“日光療法の始祖”と呼ばれている。しかし、中世においてキリスト教の広まりに連れ、自然科学的なことは邪道とされる風潮がおこり、日光療法も例外なく罪悪視された。
近代日光療法の先駆けとなった日光浴場を創ったのは、オーストリアのアーノルド・リックリーとされている。1799年にはベルトランによって、それまで経験的に行われてきた日光療法が、系統的・科学的に検討され、その上で病気の治療に有用なことを報告した。1815年にはコービンによって、日光療法の適応症として、くる病、壊血病、リウマチ、麻痺、浮腫等が上げられ、1816年、ドォベライナーは日光の作用を熱線(赤外線)と各色線(可視線)とに区別して説明したが、紫外線の光化学作用には気がついていなかった。
日光療法に確たる科学的根拠を与えたのは、1877年のイギリス、ダウンスとブラントであり、“日光療法の父”と呼ばれている。スイスのベルンハルトとロリエ博士は、当時不治の病と恐れられていた結核の日光療法に挑み、予想を遥かに超えた効果を挙げ、近代の日光療法を語る上で忘れてはならない存在となった。

光線療法の歴史

太陽光線は気象条件、地理的条件、大気汚染や生活環境によって容易に左右されてしまうため、太陽に変わる人工光源の発明がまたれていた。最初の人工光源はエジソンが1880年代に発明した照明用の電球であったが(電光浴)、放射エネルギーは低く、紫外線を含まないため、光線療法の光源にはなり得なかった。
1893年になると、デンマークのニールス・フィンゼンによって、世界で初めて太陽光線と同じ連続スペクトルの光線を強力に放射するカーボンアーク灯(フィンゼン灯)が考案され、当時不治の病とされた尋常性狼瘡を専門に扱う病院を開設し成果をあげ、その功績を認められ、1903年度のノーベル医学生理学賞を授与された。それ故、後世の人々はフィンゼンを“光線療法の父”と呼んでいる。
現在、病院で用いられる管球方式の光線治療器は、1906年にクロマイエルが紫外線を単独に放射する紫外線灯を作成したことによるものである。その後、1930年代、ウィンダウスによって、紫外線の光化学作用によって皮内で生成されるビタミンD3の抗くる病作用の発見(1938年ノーベル化学賞)、1968年アメリカのルーシーらによる新生児重症黄疸に対する治療効果の正当性が確認されたことで、光線療法は全世界に広がるも、薬学の発達等によって、現在では西洋医学界においては影を潜める事となった。

日本における光線療法の歴史

近代日光療法は今世紀初頭に移入され大正15年に正木不如丘博士によって開設された富士見高原療養所が、結核の治療に多大な貢献を残し、人工光源を始めて医療に応用したのは明治41年、東大皮膚科、土肥慶造博士である。クロマイエル灯は二年後の明治43年に同病院で使用されたまた、戦時中においては軍部においてもその効果が認められ利用されてきた実績をもつ。現在に至るまで日本の光線療法業界をリードして来たのは、黒田光線(財団法人光線研究所)、宇都宮光線(東京光線研究所)と呼ばれる方法で、(光源の元となるカーボンの種類、使用方法、当て方等が違う)近年、若木式光線療法とういう新たな方法も生まれ、光線療法は一般国民、スポーツ業界に留まらず、各業界等においても利用されている。

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