心と身体の健康のための養生法・まめ知識

食養生

日本や中国やインドなど伝統的な医学に基づいた食事に関する知識であり、民間にも薬膳料理で知られるように、昔からの知恵として根付いていたものです。それらを広い意味で「食養」と呼ぶことができます。

近年、食生活の乱れからくる病の占める割合が多く、癌も生活習慣病と改められました。日本人の食生活は、戦後60年の間に大きく変化しました。農耕民族だった日本人はほとんど食べなかった肉類・洋食が中心になり、インスタント食品・加工食品の常食、食事代わりにファーストフード、と昔では考えられない食生活に大きく変化しました。
 医療はどんどん進歩するのに、慢性的な病気を抱えこむ人が後を絶たないのはビタミン・ミネラル不足、脂肪の摂りすぎなど、偏った食生活や栄養のバランスも大きな要因を占めると考えられます。
 この食生活の改善により、現代病と言われる「生活習慣病」やアレルギー疾患(アトピー・花粉症を含む)、肥満などの疾患の増大をくいとめることができます。 食を改善するだけで、かなりの体質だとあきらめていた諸症状がなくなると思われます。

1)予防は治療より勝る、養生は予防より優る。

食養生は、治療、予防よりももっと最優先しなければならないということです。是非、食に関しての意識を各人が高めていただき、健康な人生を手に入れていただけたらと願っています。

2)楽しく感謝して食べるのが最高の食養生

食養生は、どの治療より予防より最優先しなければならない。けれど、食養生が必ずしも絶対的なものではないのです。つまり必要十分ではありません。食養生よりも優先させるもの、それは、食を楽しむことだと考えております。
 最高の食事とは、作り手の愛情と、食事をいただくときの感謝の気持ち、そして楽しくいただくことにまさるものはないということです。ですから完璧な食養生をめざすと楽しめなくなるという場合があります。食べたいものを時には、楽しみながら、実践していただきたいとおもいます。

3)食養生理論では、現代栄養学を補う。

現代栄養学ではすべて、カロリー換算や、栄養価で数値化して栄養のバランスを考えていくというものですが、食養学では、陰陽理論があり、体にあうものか合わないものかに視点をおき、食事のもつ生命力も加味しています。
 たとえば、栄養学とは、ご飯お茶碗に一杯で何カロリー、人参の中には、カロチン、ビタミンAがどれくらい含まれるということを分析していき、一日に必要な栄養を加算して食事のバランスをみていく評価法です。そこでこれらに食養学の理論を加えることで、体にあった食事をしることができます。

たとえば、栄養のバランスを考えると、ビールのカロリ—をごはん何倍というふうに換算しますが、果たして、お酒がごはんのかわりになるのでしょうか?(カロリー換算ですべて評価できる?)

たとえば、コンビニ弁当に含まれている栄養価、カロリーが、正しければ、健康的な食事といれるでしょうか?(食べ物のもつ生命エネルギーは?)

たとえば、精製塩ならば、過剰にとりすぎると、ナトリウムが体内にたまるけど、海塩ならば、どうでしょうか?(化学的処理でつくられた塩と自然の産物が同じ?)

たとえば冬の寒い日には、生姜湯をのみ、体を温める、そして、夏の熱い日には、ナスやトマトやスイカをたべて、体を冷やすことなど食材のもつ性質は無視?
肉は体を酸化させる、体を還元する、腸をきれいにするなどの働きは無視?

すべてに食材には、体に対しての薬効、働きがあります。つまり、食材を、地(土壌からの栄養)、火(太陽)、空、風、水の自然の恵みによって、育った生命エネルギーとしてとらえ、そのエネルギーが体にどう作用するかを考えた伝統的な昔のおばあちゃんの昔から知られる知恵も忘れてはならないと思われます。

4)伝統的な栄養学と近代栄養学をあわせて考える。

したがって、現代栄養学(分析栄養学)に加えて、食材の性質、働き(薬効)を加味した伝統的な栄養学を合わせて考えていくことが必要です。

5)健康的なダイエットとは?

テレビをつければ、バナナダイエット、きなこ牛乳がよい、お肉ばかり食べて、ご飯をたべないダイエット、など、ダイエットだけでも山ほどの情報があふれるようにあります。ダイエットの効果があるからといって、体にいい食事、健康をとりもどす食事とはかぎりませんし、また、万人に効くダイエット法もなく10人十色です。本当の意味で心身が健康でいられるように、間違ったダイエットはさけなければなりません。
 一人一人、体の体質がちがいますから、体が欲しがる食事を知って、内臓の機能を助ける食事を取ることがが最も効果的なダイエット法であると考えます。このようなダイエット法は、精神的にもバランスがとれますから、がまんするという忍耐も必要なく、過食というリバウンドもなく、自然にやせられると思われます。