心と身体の健康のための養生法・まめ知識

電磁波ストレス対策をとろう!

環境先進国ドイツでは電磁波が人体に及ぼす影響についての議論が盛んです。私たちは熱いものに触れたり、先の尖ったものに当たると熱い、痛いという感覚を得ます。ところが電磁波に対しては感覚器官を持ち合わせていません。ですから部屋の中にたくさんの電気製品があって、空間はコードレスフォン、携帯電話、無線LAN等から発信される電波で満ち溢れていても何とも感じないのです。

電磁波に対する研究

「電磁波による汚染」は、過去にはなかった現代の特有な環境汚染として挙げることができます。電磁波による悪影響は、人間の感覚ではとらえることができず、また物質的なものでもないので、一般にはその影響を認知しにくいものと言えます。

しかし、その影響はすでに科学的に認められているもので、健康に対しての放射線の被ばく量などと、並んで、電磁波の被ばく量にも一定の規制が、かけられています。欧米では70年代から電磁波による生体への影響を研究し続けています。

その結果 さまざまな悪性腫瘍(脳腫瘍.白血病.小児癌.肺癌.乳癌.睾丸腫瘍等)、乳児突然死、ダウン症、流産、早産、子宮筋腫、精子減少、白内障、痴呆症、アルツハイマ-, 電磁波過敏症候群(慢性疲労.ストレス.吐き気.不眠.頭痛.生理不順) 等を誘発するというショッキングな研究報告が発表されています。

電磁波の種類

電磁波には、極端に波長の短いX線やガンマ線、波長の短いマイクロ波など高周波、非常に波長の長い低周波、強い磁石から出る磁力線などがあります。特に注意を要すのは、強度の強い電磁波です。強度が弱くても、体に密着するなど至近距離からでる電磁波はやはり要注意です。

注意すべきことは?

高圧電線の真下にある場所などを除いては、日常生活において電磁波の影響が大きいと言えるのは、家庭における電化製品からのものが大きいと言えます。特に電磁波の強度の点において、ドライヤーや電気ひげそり機などが挙げられますが、特に最近の傾向として、携帯電話の電波についての害が、懸念されます。最近の研究では

  1. 携帯電話の電磁波は人体の細胞内DNAへ損傷をあたえ、脳腫瘍等の発病の可能性
  2. 携帯電話の電磁波は、人体の血流・血圧に変化
  3. 携帯電話の基地局は、幼児期のガン発生率を高めるかどうか

などが調べられています。

2004年10月13日、スウェーデンのカロリンスカ研究所(ノーベル生理医学賞の選考機関) は携帯電話を10年以上使用すると聴神経腫瘍が増加すると発表しています。
また、英国政府の携帯電話審問委員会へ提出された報告書にも。「8歳未満は携帯電話を使わない方がいい」という主旨の提言が寄せられています。同報告書では、頭蓋骨の発達が未熟な子どもは、聴覚や脳の神経の病気にかかりやすいとの指摘を踏まえ、保護者らに予防的対応を求めています。

アメリカにおいてはすでに電話会社を訴える裁判も起きていますが、身体に密着するような形で、長時間、強度の強い電磁波を浴びる携帯電話の使用形態は、非常に危険であるといえます。(電磁波の強度は距離の2乗に反比例するので、距離が近づくと急激にその影響が大きくなります。)

電磁波に対して過敏である人には、「携帯電話をかけるだけで、気分の悪くなる。頭痛がする。」などの症状を訴える人もいます。以前では、「脳のような細胞分裂の少ない組織は、放射線や電磁波の影響に対して強い」などという、まことしやかな説がありましたが、最新の研究によれば、逆に脳は、そのような放射線や磁力線の影響に非常に敏感な組織であるということがわかってきています。携帯電話ではなるべく長時間話さないことが無難なようです。

また、他の電気製品においては、通常使用する距離で「4ミリガウス」という指標がありますが、これでも、幼児白血病で2倍、急性白血病で4.7倍の発病率になるという研究もあります。比較的に大きな電磁波を出すのは、IHクッキングヒーターで、正面で100~1000ミリガウスという大きな値を示します。できれば、ガスコンロ、電気でもハロゲンヒーターなどを使うほうが安全だと思われる数値です。
また一般的な電気製品では、

  • ヘアードライヤー:20~150ミリガウス
  • 全自動洗濯機:2ミリガウス(モーター近く200ミリガウス)
  • 電気毛布:7ミリガウス
  • 電気カーペット:2ミリガウス
  • テレビ:3.5ミリガウス(1メートル)
  • パソコン:3ミリガウス

などです。
何にせよ、そのような電磁波の影響が少ないライフスタイルや電磁波の少ない電気製品を使う方がいいと言えます。

電磁波対策

電磁波ストレス対策はまず、寝室から

ドイツ振動医学の実践者は、電磁波ストレスをヒトが最も受けやすい場所として寝室を重要視しています。睡眠中、つまり、リラックスしている時が弱い波でも十分に影響を与えること、一年中ほとんど同じ場所に寝ているということは長期に亘ってストレスを受けること、の二点がその理由です。
電気製品は寝ている状態の身体から1m以上離す。使っていない電気製品はスイッチを切るだけではなく、電源コンセントからプラグを抜く。延長コードも電源コンセントから抜く。壁際に布団やベッドを配置している場合は、その隣室の壁際(壁の反対側)に電気製品を置かない。

マンションでお隣と接する壁際には布団やベッドを置かないほうが安全かもしれません。特に下の階に店舗が入っている建物では、床下(=下の階の天井)にトランス等の電気設備が収納されていたり、階下に電気室があるケースも見受けられます。
金属枠のベッドはなるべく使わない。現在お使いの場合は、金属部分をアースすれば電場はなくなります。外を眺めて電柱が見えますか? 電線が目の前を通っていたり、電柱にトランスが設置されていたら、できるだけ離れた部屋で寝るようにしましょう。高圧送電線の鉄塔や電車の線路から近い場合も同様です。

携帯電話を使うときは

携帯電話やコードレス電話はどのようにして使うのがベターでしょうか?携帯電話を何分もの間、同じ耳に当てていると耳の奥の温度が上昇します。また、800MHz、1.5GHz、1.7GHzという高周波はヒトの眼球の水晶体と、体内に埋め込んだ金属製の人工物(膝蓋骨など)が吸収されやすく、脳がこれに次ぐようです。従って、30秒ごとに当てる耳を左右に替える、会話はできるだけ2分以内に終わらせる、少しでも電話機を耳から離すことが奨められます。コードレス電話も同様に考えましょう。