そもそもマクロイビオティックとは?
ギリシャの古代の言葉で「マクロ」は大きい、「ビオ」は生命の語源を持ち、「大きい視野で生命を捉える」という意味を持ちます。自然の秩序と調和に従った生活法であり、環境に順応した生活が重要視された精神文化論であるそうです。簡素でバランスのとれた食事をする生活法ということになります。
日本人である久司道夫氏が渡米し、世界平和のためには、人々がバランスのとれた健康な食生活を送ることにより、心の中の平和な心がつくられ、心身ともに健康であることが基本であると悟られ、啓蒙活動をされました。この栄養指導を受け、実行することにより、自然治癒力が増進され、30パーセントの癌、その他、近代医学で難治性の多くの疾患でも食事で完全治癒に至りました。
これが世界的に広がり、病気の治癒に著しい効果が立証されてくるにつれ、大学や医学会、政府機関との関係が深まり、多くの賞を受賞しました。アメリカでは、代替医療が日本よりもすすんでいます。したがってアメリカではすでに、医科大学でもマクロビオティックが授業にはいってきています
マクロビオティックは今や、多くの知識人、有名人でも、カーター大統領、クリントン大統領、歌手のマドンナ、ハリウッドスタ—のトム・クルーズなども食事指導を受けています。また、著名人の中でも多数などブームとなっているものです。
マクロビオティックの食材の理想的なバランス
全粒穀物を全体の50〜64%、野菜が20〜30%、豆類、海藻が5〜10%、飲み物、魚、デザート、薬味、補助的食品が5%
- 全粒穀物:玄米、ときどき大麦、小麦、からす麦、粟などをまぜる。その他、とうもろこし、そば、うどん、パン、パスタ類。(乳製品を含んで焼いたものや、精白したもの、イーストを使用したパンは避けたい。)
- 野菜:温帯産のもの。大根、人参、ごぼう、玉ねぎ、葱、白菜、かぼちゃ、にら、パセリ、レタスなど。
- 豆類、種子:大豆、小豆、いんげん豆、うずら豆、おから納豆、高野豆腐、がんもどき、ごま、かぼちゃの種など。
- 海藻:わかめ、ひじき、昆布、海苔、寒天、あらめなど。
- 動物性食材:肉と赤みの魚は、避け、新鮮な白身の魚介類を時々とる。
- 果物:できるだけ日本産で旬のものをとる。
- 飲み物:三年番茶、くき茶、穀物コーヒー、野菜や果物のジュース。
- 調味料:自然塩、醤油、味噌が中心。梅干し、たくあんなどの漬物。
実践するためのルール
- 主食は原則として穀物(全粒のもので、特に玄米。他に麦、阿波、稗、など。)適度の豆類と、未精製のパン、うどん、そばなどをときどき加える。
マクロビオティック食事法での炭水化物と蛋白質の比率は約7対1。全粒の穀物はその理想的なバランスの比率を確保しています。未精製で、無農薬、有機栽培のものを使用します。玄米は芯が残りやすいので、圧力鍋を使用した方がおいしく炊けます。炊き方は、玄米一合に対して、250ccの水に6時間つけて、(夏は一時間)少量の塩をいれて、圧力鍋で炊きます。
- 野菜は有機野菜でしかも旬のものを選ぶ。
- 海藻もできるだけ天日干しのものを。
- できるだけその土地でとれたものを食べる。
めずらしい南国の果物や、寒冷地方で必要な肉類は、温暖地方の日本では、相性がよくない。
- 素材をまるごと食べる。
*もと東洋は東洋医学も全体治療であるように、まるごと文化。大根の葉と白い部分まるごと。小魚まるごと。豆。ゴマ。穀物。
*西洋は西洋医学も各科を切り離して、部分治療であるように、切り身文化。切り身料理(モモ肉、レバー)
皮はむかず、あく抜きや、ゆでこぼしもしないように丸ごと食べると栄養のバランスがとれる。 - 長期天然醸造の調味料を使う。
- 白砂糖を使わない。精白していない砂糖にする。化学調味料は使わない(着色料や防腐剤、保存料などは内臓に負担)。精製塩を使わないで自然塩を使う。
(我々の血液成分は約40億年前の海水の成分と等しい。今の海塩が陽性化しており、Mgであるにがりが多く、にがりの多い塩は筋肉を固くし、腰が曲がるなど、老化現象の原因になるので、にがり分だけ除いた自然塩がよい。) - 有機大豆日本産大豆使用のみそを使う。(輸入大豆の中には、遺伝子組み換え大豆でないと表示があっても、日本での基準値に満たない微量の混入であれば、表示しなくてもよいとされている。なるべく国産大豆で遺伝子組み換え大豆でないものを選ぶのがよい。)
- だしは、じゃこ、かつおだしなどの動物性を使用せず、干し椎茸、昆布だしなどの植物性を使用する。
- 白砂糖を使わない。精白していない砂糖にする。化学調味料は使わない(着色料や防腐剤、保存料などは内臓に負担)。精製塩を使わないで自然塩を使う。
- よく噛んで、腹八分目をめやすにたべる。
寝る3時間前の夜食は避ける。
マクロビオティックの実践へのご注意
この食養は、現代の危険な食に対しての警告でもあり、そういう意味では、大変制限が厳しく感じる方も多いと思います。食事指導をさせていただく上で、これがいけない、あれがいけないということを申し上げることで、かえって気持ちががちがちになってしまって、食事を楽しめなくなってしまわれるのではと私も危惧しております。
病気が悪くなっておられる方ほど、自分で調理することができないような状況であることが多く、家族の協力が得られなければ、食養も不可能となります。そういう方のためにも、正しい食を理解したレストランがたくさんできればいいと思っております。
食事は、人生を楽ませてくれるもの、ひとが集まることができる空間を生み出すことができるもの。だから、あまり、症状の深刻な方以外は、ときどきははめをはずして気にせず食べることもいいでしょう。ただ、実践するにおいて、オリジナルな理論を知り、そして、それをなるべく取り入れていただければ幸いです。