中医学漢方症状別治療ご紹介

花粉症の漢方治療

アレルギー性鼻炎はクシャミ、水様鼻汁、鼻つまりを主症状とします。一年中症状繰り返す通年性とある季節にだけ症状が現れる季節性に分けられます。花粉の発生する季節だけに発症する場合を花粉症といい、花粉症はアレルギー性鼻炎の一種です。

花粉症の原因

  1. ハウスダスト(家のほこり)に含まれるダニやカビ。(通年性)
  2. スギ花粉、カモガヤ花粉、ブタクサ花粉など。(季節性)
  3. 食生活の変化、大気汚染、社会生活上のストレスの増加など。

中医学には「正気(防衛力)が体の中にあれば、外部の邪は体内に入れない」と言う考え方があります。体の防御力が弱まると、気候や季節の変化に応じられず病邪が体に侵入しやすくなります。花粉症は体の防御力が弱まって、花粉の発生する季節に応じられず発病すると考えます。

花粉症の治療

中医学では、花粉症の治療は、鼻や目やのどの症状を抑える標治(対症療法)と体質改善によって、防御力を高め、外邪を寄せ付けない体を作る本治(根本療法)の二段構えで治療に当たります。標治は急性発作の時に用いることが多いです。本治は間歇期に用いることが多いです。

標治
1. 風寒型
花粉症特有の鼻水、クシャミ、鼻つまりを体の冷えからくる症状としてとらえ、体を温め抵抗力を高める温性の処方をよく使います。
小青竜湯、麻黄附子細辛湯、葛根湯加川芎辛夷など。
2. 風熱型
咽喉腫痛、鼻粘膜や目の結膜の充血・痒み、頭痛、発熱、咳嗽、口渇・冷たい飲み物を好む、ほてりなど中医学的に言うと風熱の症状です。熱性の症状を抑える処方が効果を上げています。
清上防風湯、越婢加朮湯、荊芥連翹湯など。
本治

体質改善によって、体の防衛能力を高めます。
中医学では、体の防御力や鼻は肺と密接な関係があり、花粉症の根本原因は肺の機能低下と考えます。

  • 肺の機能を高めるため桂枝湯、防已黄者湯、補中益気湯、黄耆建中湯などを用いる。
  • 胃腸虚弱を伴う場合は人参湯、人参湯+附子末、六君子湯、小建中湯などを用いる。

花粉症は体質改善によって根本から治すことが重要である。