中医学漢方症状別治療ご紹介

肩こりの漢方治療

肩こりとは、肩部の血液循環障害により、首や肩の周辺の筋肉が緊張して硬くなり、こわばり・痛みなどの症状が生じ、日本人に非常に多い症状です。
中医学では、肩こりは疼痛の部位は肩周辺ですが、発病の原因が外邪の侵入、気鬱、過労、外傷などさまさまだと考えています。治療するには肩部の血行がよくするだけではなく、肩部血行不良になる原因の排除などから治療することが多いです。その原因としては以下のタイプに分けられます。

1. 風寒による肩こり(カゼ・冷えによるタイプ)

症 状
肩や肩周辺がこわばりや痛む。痛みが夜間になるとひどくなり、温めると楽になる特徴があり、悪寒、発熱、後頭部痛などを伴います。
原 因
風寒の邪が肩部に侵入し、気血の運行が阻害され、肩こりを引き起こします。/dd>

治療法
風を去し、寒を散らし、気血のめぐりを良くし肩こりを改善します。
処 方
葛根湯・桂枝加葛根湯など。

2. 痰湿による肩こり(水液代謝異常によるタイプ)

症 状
肩や肩周辺が重く痛い、肩部の重感・冷感、温めると痛みが軽減し、冷やすと、または雨天の時に悪化します。
原 因
寒湿の邪が肩部に侵入し、あるいは胃腸虚弱により水湿が経絡に停滞して肩周辺の気血のめぐりが悪くなり肩こりを引き起こします。
治療法
寒を散らし、水湿を取除き、気血のめぐりを良くし肩こりを改善します。
処 方
葛根湯加朮附湯・桂枝加苓朮附湯など。

3. 気鬱による肩こり(ストレスによるタイプ)

症 状
肩部の痛みやこわばりがストレスにより誘発・増悪されます。頭痛、イライラ、精神不安、不眠など。
原 因
ストレスや怒りなどによって、肩部の気血の流れが悪くなり肩こりを引き起こします。
治療法
自律神経を安定させ、気血のめぐりを良くし肩こりを改善します。
処 方
加味逍遙散・大柴胡湯など。

4. 瘀血による肩こり(血流循環障害によるタイプ)

症 状
肩周辺のこわばり・痛みがひどい、刺すような痛み、夜間になると増悪します。舌は瘀斑・瘀点など
原 因
外傷や長時間の不良姿勢、運動不足などによって、肩部の気血の運行が悪くなり肩こりを引き起こします。
治療法
血流を良くし肩こりを改善します。
処 方
桂枝茯苓丸・葛根湯+桂枝茯苓丸など。